金箔の製法 - 縁付(えんつき・えんづけ)と断切(たちきり) -

金箔の製法は簡単に言うと、純金に銀や銅をまぜた地金を板状にした「延べ」と呼ばれるものを箔打機により数万回たたくことにより、1万分の1~2mmまでの薄さにします。
この時、金箔と「箔打紙」を交互に重ねた束を箔打機にかけ最後に規定の大きさになるように裁断しますが、この「箔打紙の種類」と「裁断方法」により

1.縁付(えんつき)
2.断切(たちきり)

の2種類にわけることができます。

1.縁付(えんつき・えんづけ)

箔打紙には手すきの和紙に卵や柿渋などをまぜた、強さとなめらかさをもったものを使用します。
金箔の裁断は革を張った板「革板(かわばん)」の上で竹製の「枠」を用いて1枚1枚規定の大きさに切りそろえたうえで「箔紙」へ移していきます。
このように大変手間がかかるため「断切」よりも高価なものになりますが、より薄く仕上げることが可能です。
石川県金沢市の箔屋さんなどではこの作業の様子が見学できますね。

2.断切(たちきり)

箔打紙にカーボンを塗布した特殊な紙を用いることにより、金を延ばし易くしています。
また、「縁付」とは違い金箔と紙の束をまとめて裁断しますので、全体の工程を比較すると効率的で大量生産向きであり「縁付」よりも安価に製造することができます。

どちらにしても金箔を作るには人の手は外すことができないですし、金も貴重な資源ですので、金箔を扱う仕事をさせていただいている以上は、高い安いに関係なく地球の資源や金箔職人さんに感謝して金箔を使用したいですね。

お仏壇では部品により「縁付」と「断切」を使い分けられることが多いです。

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仏檀修理アドバイザー



富山県内仏壇店での仏壇製造・修理現場勤務をきっかけに独立。気がつけば20年以上お仏壇の修理・お手入れに携わってきました。

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