お仏壇のここの金箔、よくはがれています。

お仏壇を長年使っていると大なり小なり金箔がはがれてくるものです。
もちろん自然にはがれることはなく、原因のほとんどは手が触れたりお掃除の際に布巾で拭いてしまったりしたことによるものです。

その中でも金箔のはがれが飛び抜けて多い箇所は、

1.障子(内側の扉)
2.引出し
3.和讃卓(「和讃」を入れた箱を置くもの)

の3つですね。

1.障子(内側の扉)

お仏壇の障子には通常、「つまみ金具」がついていてこの金具を指でつかんで開閉しますが、金具を持たずに障子の金箔部分を持って開閉を繰り返しているとその部分の金箔がはがれ黒く漆が見えてきます。

また、金具をつかむ時にどうしても指先が金箔に触れてしまうという場合には、金具の下(裏)に「三角の布(座布団)」を仏壇屋さんに取り付けてもらうとよいでしょう。その布が指が金箔に触れるのを妨いでくれます。
お値段も左右1組で¥3,000程度とお手頃ですよ。(当社料金:取り付け工賃込み)

障子の開閉時には金具をつかみましょう。

2.引出し

引出しにも障子同様つまみ金具が取り付けてあるか指先を「ひっかける」ために引出し正面上部を刳り抜いてあるはずですので、出し入れの際は「必ず」これらの部分をつかんでください。

3.和讃卓(「和讃」を入れた箱を置くもの)

和讃卓に金箔を押してある場合は左右両側と正面が金箔になっているものをよく見かけます。
和讃卓を移動する時は、金箔部分を持たずに「上と下(天地)」などの漆部分を持つようにしてください。
全面金箔の場合は面倒でも手袋をして「そーっと」持っていただいたほうがよいかもしれませんね。

◇ ◇ ◇ ◇ ◇

次の写真は上述の障子(内側の扉)や引出しの金箔がはがれてしまったものです。
あなたのお仏壇をご覧になってみてください。同じような状態になってはいませんか?

金箔補修前
<金箔補修前>
金箔補修後
<金箔補修後>

◇ ◇ ◇ ◇ ◇

ちょっとしたことに気をつけるだけで、「見た目の悪さ」や「余計な出費」がなくなりますので、金箔箇所の付近を触る時は面倒がらずに「金箔箇所以外」を持つようにしてください。

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仏檀修理アドバイザー



富山県内仏壇店での仏壇製造・修理現場勤務をきっかけに独立。気がつけば20年以上お仏壇の修理・お手入れに携わってきました。

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