あなたのお仏壇の蝶番は大丈夫ですか?

すり減った蝶番
正常な蝶番
すり減った蝶番
正常な蝶番

上の2つの蝶番をよ~く見てください。
どこかがほんの少しだけ違います。

わかりますか?

・・・・・

答えは次の通りです。

すり減った蝶番

少しわかりにくいですが、「すり減った蝶番」の赤丸で囲まれた部分に隙間があります。
この隙間は、扉の開閉を繰り返すことにより金具が少しづつ、少しづつ磨耗し長年の間に数mmもすり減ったものです。
ここまでになると、次のように蝶番が段違いになります。

不具合のある蝶番の段差

そしてこの段差(A)はそのまま扉もしくは障子が段違いになることの原因となり、お仏壇本体や扉等にキズをつけることの一因にもなります。

数年に1度はお近くの仏壇屋さんに蝶番の点検をお願いして、大切なお仏壇を大事にしてください。

なお、この不具合を解決するには次の3つの方法が考えられます。

1.この蝶番をこのまま使い取り付け直す

扉等の段違いは直りますが、蝶番の段違いはこのままの状態なので、見栄えはあまりよくありません。それでも、何もせずに放っておいてお仏壇本体等にキズをつけるよりは良いです。

2.この蝶番の隙間部分を埋めるために同素材で加工した「輪」をはめる

既製品の金具で同じものが無い場合などで、手打ちで作り直すご予算がない方にはおすすめです。

3.蝶番を新しいものに取り替える

これが最も良いと思いますが、他の金具が色あせたり変色している場合はこの金具だけきれいに見え、見た目のバランスが悪くなります。しかし、放っておくよりは ...。

上の写真の蝶番のような状態に限って言えば、違う位置に取り付ければ蝶番としての機能に問題なく使用できます。例えば、右の扉に取り付けてあったのであれば左の扉のものと入れ替えるとこの擦り減った部分が影響しなくなります。ちなみに上の蝶番は右側の扉に取り付けてあったのですが、本来は左側の扉に取り付けるのが正解です。

手打ちで作られる蝶番の場合は、金具がお仏壇の左右どちらに取り付けられるかにより軸部の作りを反対にすることで稼動部分にかかる負担を減らすようにしていますが、既製品の金具は左右の区別なく同じものである場合もありますので、そうなるとこの蝶番のように本来取り付ける位置とは違う反対側に取り付けざるを得ません。

ところで、上記対策をせず扉や障子が下がっている状態のまま開閉を繰り返すことで起こる不具合については、「建付調整」のページで解説してありますのでこちらも参考にしてみてください。

扉の建付調整

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仏檀修理アドバイザー



富山県内仏壇店での仏壇製造・修理現場勤務をきっかけに独立。気がつけば20年以上お仏壇の修理・お手入れに携わってきました。

当サイトがお仏壇の修理や取り扱いに関することなどでお悩みのあなたのお力になることができれば幸いです。

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